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2024.02.08
コラム

シリーズコラム 「働くことのストレス」 【第6回】 休み方の工夫と変化

休養期間と少しの変化

前回、通院期間が長くなることはマイナスではなく、患者さん自身に合ったアプローチを探す時間としても大切というお話をさせて頂きました。今回は、通院期間中に休養を要するということになり、休職を決められた患者さんの時間の過ごし方についてです。仕事のストレスなどから心身が不調となり、休養のために休職をすることになった場合、その期間は人によって様々ですが、平均的に1~2か月くらいのパターンが多いようです。

休職に入った最初の頃は、しっかりと休むことが大切で、これは文字通りしっかりと食事をとりながら、よく眠ることを意味します。そして、個人差はあるのですが、1~2週間くらい経過したあとから、どのような休養の仕方をするにしても、少しの変化を加え始めてよいかと思います。

抵抗感が出てくるところ

休養期間がずっと続くことはなく、どこかで終わりがきて元の仕事に復職されるか、新しいポストに異動するか、転職をされるかなど個人の選択によって変わります。ただ、休養されている間にストレスを抱えた原因の改善や解決を試みていくことが重要になります。前回お話ししたように患者さんにとって適合したアプローチをクリニックとしても提案しますが、大切なのは患者さんが腑に落ちるかどうかでもあります。

たとえば、それは休養されている間に、これまでとは違った少しの変化を生活に入れることかもしれません。生活に彩りをもたらすために新たに観葉植物を購入することや、眠りの環境を改善するために寝具を新調したり、布団クリーナーを用意するなどの物にまつわることであればさほどハードルは高くありません。ただ、休養中、生活スタイルをもう少し具体的に変えていくとなるとやや抵抗感も出てくる場合があります。

「情報過多」の場合では好みの選別を

PC・スマホを含めて情報機器が発達し、SNSなどの情報媒体もいくらでも使いこなせる時代です。仕事でも多くの情報をさばき、プライベートでも多くの情報に触れていく中で、こころが情報過多で疲れて不調和の原因となっている場合があります。このことは案外個人では気づきにくいようです。情報過多がストレスになっていれば、情報へのアクセスをどのように自分で制限していくかなども鍵となります。

子供の頃、ゲームの時間を制限されたご家庭などもあるかもしれませんが、大人の場合は本当のところ興味や関心がある情報は何であるかを取捨選択していく作業から始めた方が良いかと思います。言葉を換えれば、さほど興味や関心がない情報を排除してしまうことですが、そうした意識づけを行わずに情報端末をONにしていると次々と情報や動画が流れてきます。折角の休養期間、自らの好みをしっかりと見つめて、それを選んでいくのも次への大切なステップの一つだと思います。この小さな習性の変化が長い目でみた場合、ストレスを和らげることもあります。

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