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2023.06.01
コラム

精神科医とカウンセラー

初診のときの情報

精神科医が患者さんと向き合うとき、言葉をたよりに問診を行うことがほとんど全てになります。内科などですと聴診や触診といったこともありますが、精神科医はあまりそういうことはしません。医師が患者さんと初めて向き合う初診のとき、なるべく時間をかけて患者さんが感ずる自覚症状を教えてもらい、医師が普段は知りえない患者さんの日常の生活や行動について言葉にしてもらいます。医師はそれをもとに知見と経験から診断をしていきます。ですから初診でどのくらいの情報を受け取れるかが鍵になってきます。

カウンセリングの大切さ

日本では薬の処方をする薬物療法がかなりの割合を占めていますが、こころの不調和は薬物療法ですべて解決できるわけでもありません。カウンセリングなどの心理療法などが別のアプローチとしても大切なものになってきますが、医師がカウンセリングに必ずしも長けているわけでもないのが現実です。そこで、臨床心理士や公認心理師などの出番となってきますが、有能なカウンセラーの中には、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの治療で、医師からみていても脱帽するような実力を持つ人がいます。

多様なアプローチの必要

人が抱えるこころの不調和や症状に対して、薬物療法がかなり有効であると信じていますが、それ以外のアプローチをどう確保していくかは精神科・心療内科の全般的な問題です。当クリニックでもユニークで実力のあるカウンセラーの方々と提携していけるよう現在試みております。専門的な知見や資格も大切ですが、その人柄が良く、これまで歩んできた経歴や経験を活かし、雰囲気や話し方などが人を安んずるカウンセラーの存在と精神科医がペアを組めれば、より良き治療を提供していけると思っています。

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