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2023.06.01
コラム

クリニック開業前の準備

長い病院勤務のトラップ

私は医師になってからずっと精神科医として勤務してきましたが、ほとんどが大きな病院での勤務でした。そのなかで多くの患者さんたちと向き合い、いろいろと経験を積み、専門的な知見も学ばせてもらいながら医師として育ててもらえたことに感謝しています。病院勤務をやめ、クリニックを開業するときに色々な人に相談しましたが、なかでもある知人からいわれたことは深くこころに刻まれました。それは、「精神科医は互いの診療場面などはあまり見ていないことが多いですよね。治療内容はともかく、患者さんに対する接し方とかは大丈夫ですか?」

大病院から個人クリニックへ

この一言は私にはとても大切なことをいわれているように思いました。患者さんにどのような態度で接しているか、マナーに問題はないのか。これは自分では気をつけていても、十分ということはないのだと思います。大きな病院ですと患者さんは次々とやってきます。一人一人にきちんと接しているつもりでも、それがどのくらい適切なのか、誰かが点数をつけて評価してくれるわけでもありません。良い機会だから自分でクリニックを開業する前に自分の接遇、マナー、態度などを助言してもらうことにしました。

医師としての初心を大切に

医師として経験と知見を重ねていけば、その腕が良くなっていくのは当たり前ですが、その反面、慣れていくことで、別の大切なことを失ってしまっては元も子もありません。特に精神科医は患者さんが話すことをしっかりと聞いて、その理解に努めて、その上で治療法を考えることになります。自分で気づいてなくても、こちらのものの言い方、何気ない態度やマナーが相手からみてどのように映るのか。そんなことの諸々を開業前に学ばせてもらいました。そして、引き続き学んでしっかりと活かしていきたいと思っています。

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