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2023.12.25
コラム

母校の医師たちの頑張りに

 ( 写真:善き先輩で信州大学医学部精神科現・教授の鷲塚医師との一枚 )

古巣医局との復縁

医師としてのスタートに立たせてくれた信州大学医学部。数年前にそこで催された「造血幹細胞移植セミナー」で講師として訪れた以来となっていました。その時は、精神科医としての立場からいくつかの見解を述べて、後は慌ただしく東京に戻りました。コロナ禍ですっかりと遠出も控えしまい、母校がある松本市もどこか遠い存在になり始めていた頃に、信大の出身医局でコロナ以降、初の忘年会が開催されるとのハガキが手元へと。思えば毎年のようにこうしたハガキが届いていましたが、その都度、いつでも参加できるからという理由で見送っていました。ただ、今回はこころ変わりをして、気がつけば参加する返事をしていました。

ベテランたちの努力

「特急あずさ」に乗り新宿から松本まで2時間半の旅路。辿り着いた忘年会の会場で、宴は医局で現在教授を務めている先輩の挨拶から始まりました。コロナ禍の猛威が医師たちにも大きな影響を与えていたことを改めて知り、そして、他の先生方からは県内各地の医療についての報告などがありました。地方医療の厳しい現実を前に、それでも使命感をもって現場と向き合い続けている話などを伺っていると、私も励まされているような気持ちになりました。色々な話を伺っている中でも、その場には不在でしたが、90歳近くの今でも現役を務める医師の「精神科医には、(外科のような)一見華やかな技術はないが、長く勉強を続けていくことが出来る」という言葉の紹介には感銘を受けもしました。

変化にならって

ここ数年でかつての古巣にも変化が生じており、児童・思春期の患者さんを対象とした「こどものこころの診療部」が独立して診療が営まれるようになっています。信大はもとより老年期精神医学が充実しておりましたが、この変化によって大学病院としてより一層総合化したのだと思います。今の時代、色々と発達したお陰で効率性や利便性に預かることができていますが、こどものこころにはポジティブな影響ばかりではありません。こどものこころへの向き合い方は喫緊の問題になってきています。こうした現実を前に、当院もこの度、診療対象を18歳以上から16歳以上へと変えさせて頂きました。医療の世界でいう「こども」の年齢ではありませんが、当院もできる努力をささやかながらでも続けていきたいと思います。

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