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2023.10.31
コラム

神保町・古本屋街の「お祭り」

ブックフェスティバルを散策

窓を開放していると心地よい風が流れ込んでくるこの季節は散策に出たくもなります。ただ、なかなか遠出もかなわないので、代わりにクリニック近くの神保町すずらん通り・さくら通りを中心に開催していた「第31回神保町ブックフェスティバル」をぶらついてきました。この街界隈で出版業や古本屋を営む方々が、青空の下で軒並みブックコーナーを出店し、扱われる古本の値段もいつもより相当安くしていたようです。多くの人でにぎわい、皆それぞれが関心のある本を真剣に眺めている風景が広がっていました。

お鉢が回って来る

私も精神科医ですから、自分の領域の本についてはそれなりに知っているつもりでいても、このような「お祭り」で時折まったく知らなかった本、ノーマークであったけど強く関心の惹かれる本に出会ったりもします。こういう場では、気になった本を手に取りページをパラパラとめくり、文脈を少しだけ読み進めてみて、これは学びになりそうだと感じたら思い切って購入をするようにしています。ただ、古い本の中には、手ごわい本もあり、かつて名前は聞いたことはあるけども、若い頃は読まずに終わった書などが、年齢を重ねていく中で、結局は自分の手元に転がり込んでくるような結果にもなっています。

脳の成長と年齢の関係

難しい本は十分に理解できているとはとてもいえませんし、せめてもう少しわかることができたら、より治療にも役立てられるはずなのにとの思いに駆られることもあります。ただ、つかみ切れない知識や概念に一生懸命トライすることは、年齢に関係なく大切だと思っています。脳の成長が年齢に関係ないことは指摘され始めていますし、私もそれを信じて努め、医師としての成長に繋げたいと思います。年に一度の神田のブックフェスティバルの散策はそんな思いを改めて確認する秋の晴天の良き一日でした。

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