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2023.07.24
コラム

初診と再診のアプローチ

開業までの諸々の一つを省みて

勤務医として働いていたとき、運動習慣といえばウォーキングをたまにするくらいでした。自分の責任で九段下・神保町に精神科・心療内科を開院すると決めてからは、体力をつけ直そうと思いジムに入会しましたが、筋肉がつき始めたなと実感するまでには時間がかかりました。それでも、大きな怪我もせずに、着実に体力も向上したのを実感しています。

ジム入会初日にトレーナーが時間をかけて体力と筋力を測定してくれましたが、自分の体のことだから、ある程度わかっていると思いきや、結局はたいしてわかっていなかったことにも気づかされもしました。体力と筋力の現実を知った後、そこからトレーナーが無理のない範囲でのトレーニング計画を立ててくれました。これをもとに運動を続けましたが、ときにもどかしくなることもあります。自分はもっとできると感ずることもあれば、結構きついなと感じることもあり、こころの動きというのは気まぐれなものです。

初診と再診のアプローチの違い

自分が不慣れな筋トレという分野に触れてみて、精神科・心療内科の診察の進め方と共通する部分があるように感じています。私が医師として患者さんに初めて接する「初診」のとき、比較的長い時間を頂くことになります。じっくりと話を伺う中で、こころの全体を教えてもらうべく努めることになります。患者さんが帰られた後でも、治療方針を改めて検討して、そこからアプローチを探っていきます。 

患者さんによって必要となる「再診」の際、具体的な治療が始まりますがこれは地道なものとなります。私は、一度の「再診」であまり多くを詰め込むのが良いとは思っていませんし、一度の「再診」で時間を長くかけることが良いとは限りません。患者さんの状況と着実な回復を見極めながらポイントを絞っていくことが大切だと思っています。いうなれば、「初診」はこころ全体を俯瞰させてもらい、「再診」はそれぞれのポイントを一つずつ診させてもらうもので、私自身は医師として焦らずに慌てずに着実に進めていければとこころがけています。

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